卵を産む鶏のことを、養鶏業界では採卵鶏と呼んでいます。
この記事では、採卵鶏を飼育する日本の養鶏場、卵の生産の実態を書きます。
日頃から卵を食べる方は、しっかりご覧ください。
バタリーケージ
鶏は、土のある地面で自由に過ごしていると思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、そんな鶏はほとんどいません。
採卵鶏は、主にバタリーケージという、ケージの中で一生のほとんどを過ごします。
1匹あたりの面積はA4サイズ以下
バタリーケージは非常狭く、1匹あたりA4サイズ以下の面積しかありません。
平均では、B5サイズ(257mm×182mm)しかありません。
採卵鶏たちは、この非常に狭い空間の中でぎゅうぎゅう詰めにされて、延々と過ごすのです。
ケガや命の危険を伴う
窮屈なだけではなく、床が金網のため、足裏に食い込み、常に痛みを感じています。
バタリーケージと床にわずかな隙間がある場合は、隙間に挟まってしまい、動けなくなる鶏もいます。
不衛生で、病気になりやすく、
骨折や脱臼に苦しみます。
死ぬことは日常茶飯事です。
92%以上の養鶏場で、この虐待飼育を行っています。
鶏の数で言えば、99%以上がバタリーケージで飼育されています。
デビーク
また 採卵鶏は 生後10日までに、デビークといって、くちばしの先を切断されます。
鶏は本来、一日に15000回地面をつついて過ごす生き物です。
しかしケージ飼育のせいで、その欲求を満たすことができず、その欲求不満が仲間をつつくという行為に発展します。
これを防ぐために、クチバシを切断するのです。
クチバシには神経が通っており、当たり前ですが痛みを感じます。
その後も、慢性的に痛みが継続します。
鶏の本能を満たしてあげれば防げることですが、養鶏業界はそれをせず、鶏を痛めつけるという方法で解決しているのです。
スイス、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなどでは禁止されていますが
日本では、83%以上の養鶏場でこの虐待が行われています。
オスの殺処分
卵をひなへと孵化(ふか)させる農場を、孵化場といいます。
孵化場は、孵卵機という人工的に卵を孵化させるための機械を使って、卵を温めます。
そして、ヒヨコを孵化させるのです。
ヒヨコが孵化すると、オスとメスの選別作業が行われます。
人間が食べる卵を産むのは、メスだけです。
オスは卵を産まないので、業者にとって利益になりません。
そのため、オスの雛は生まれて間もなく殺されます。
生きたままシュレッダーで粉砕する
オスの雛の殺し方は主に3通りあり、どれも非常に残虐です。
まずは、窒息死。
次に、圧死。
そして、生きたままシュレッダー(グラインダー)で粉砕です。
このように、狂っているとしか思えないことが、卵のために現実に起こっているのです。
ちなみにですが、
メスであっても、弱っている子や、起立困難な子は、処分されます。
殺し方はオスと同様です。
ローラーに巻き込まれ、体がちぎれる
孵化場では、ヒヨコたちはローラーのついた機械で運ばれることが多々あります。
こうして運ばれる際に、機械のローラーなどに巻き込まれ、
体に傷ができたり、ちぎれたり、死んでしまう雛たちもいます。
以下は、目が潰れた雛と、ローラーの下に巻き込まれてしまった雛。
この子は、巻き込まれた結果、体がちぎれてしまい、肉や臓器がむき出しです。
この子は下半身がちぎれてしまっています。
この子は、目玉が飛び出てしまっています。
こうして傷つくなどして不要になった雛も当然のことながら処分されます。
このような犠牲があった上で、生き残ったヒナたちを仕入れているのが、卵を産ませる養鶏場です。
ケージ飼育、平飼い飼育をしているかは全く関係がありません。
毎年1億羽が殺される
採卵鶏のオスが殺されている数は、世界では、毎年およそ60億羽です。
日本だけでも、毎年およそ1億羽も殺されています。
これはあくまでオスの殺処分だけの話です。
と殺数は含まれていませんので、勘違いしないでください。
卵のためにどれだけの犠牲を出しているのか、理解できるでしょう。
農場でも殺されている
また 鶏たちは、農場でも殺されています。
奇形、歩行困難、病弱の鶏や、卵詰まりや成長不良などで卵を産まなくなった鶏は、
と殺場に送ることなく、農場内で殺します。
農場での殺処分方法は様々で、苦しみの大小はありますが、全てにおいて悲惨です。
いつの間にか死んでいた
養鶏場の仕事は、鶏の死体の回収から始まると言われています。
養鶏場では、このように死体が転がっている光景は日常です。
大量の鶏が飼育されていますので、1羽1羽の管理など全く行っておりません。
なので、人間にとってはいつの間にか鶏たちは死んでいるのです。
しかし 鶏たちにとっては、病気にかかり、衰弱し、長く長く苦しんで死んでいったのです。
隔離後放置死
職員が弱っている鶏を見つけ、ケージから取り出し、隔離して放置して衰弱死させるケースです。
場所を移動されただけのことで、先ほどのいつの間にか死んでいた鶏たちと、辿る運命は全く同じです。
徐々に衰弱し、長く長く苦しんで死んでいきます。
頸椎脱臼
職員が弱っている鶏を見つけ、鶏をケージから取り出し、頸椎脱臼させるケースです。
職員が自ら、鶏の首をひねって殺すのです。
この子は、頸椎脱臼が行われてからも、ピクピクと足を動かしており、動かなくなるまで2分もかかりました。
全く安楽ではない頸椎脱臼ですが、養鶏場の殺処分方法の中では、まだ苦痛の少ない方だと言われています。
生きたまま焼却炉へ投げ込まれる
生きたまま焼却炉に投げ込む鬼畜な養鶏場もあります。
職員が手に持っているのは、まだ生きている鶏です。
この職員は、鶏を焼却炉に投げ込んでいるのが確認できます。
日頃から死が蔓延した養鶏場。
殺すことに慣れきった職員は、自分の業務を効率良く行うことしか考えていません。
このような狂った職員がいても何ら不思議ではないのです。
他の殺し方
他にも以下のような残酷な殺し方があります。
・ 生きたままレンダリングへ
・ 溺死
・ ビニール袋に入れて窒息死
・ 頭部への打撃
・ 二酸化炭素などのガス
・ 脳震盪式スタンガン(キャプティブボルト)
・ 電気的スタニング
強制換羽
採卵鶏は、産卵を開始して、約1年が経過すると、卵質や産卵率が低下します。
この時点でと殺する養鶏場と、
強制換羽を行って、さらに長期利用しようとする養鶏場があります。
強制換羽とは、2週間程度、絶食などの給餌制限をおこない栄養不足にさせることで、新しい羽を強制的に抜け変わらせることです。
換羽期に羽毛が抜けかわると再び卵を産むようになるという鶏の生態を利用し、
卵の質を均一にし、生産効率を上げるために行われています。
ショック療法の強制換羽では、死亡率が上がります。
日本の採卵養鶏の66.1%で強制換羽が実施されています。
さらに5%の採卵養鶏農家は、絶食させるだけでなく、絶水までさせています。
このような方法を行って、最大2年くらいまで卵を産ませ、と殺します。
品種改良
鶏は本来、年間に数10個しか卵を産みませんが、
採卵鶏は、品種改良によって、年間300個以上も卵を産む体にされてしまっています。
卵は鶏の生理
卵は鶏の生理です。
年中、生理がくる体にされているのです。
鶏がたった1個の卵を産むのに、要する時間は24時間です。
人間は数分程度の食事のために、この卵を何個も使います。
採卵鶏は、卵を繰り返し産まなければならないことで、生殖器にダメージを受けることが多くなります。
骨粗鬆症
卵の殻にカルシムを必要とするため、大量に卵を産みだす体にされた採卵鶏はカルシウム不足となり、骨からカルシウムを移動するようになってしまいます。
そのため、骨粗鬆症になり、骨がもろく折れやすくなっています。
2004年には、80~89%の採卵鶏が骨粗鬆症で苦しんでいると推定されました。
骨粗鬆症に伴う骨折は、バタリーケージ飼育による運動不足で悪化します。
骨折しても治療はされませんので、ひたすら痛みに耐え続けなければなりません。
そして、餌や水を得ることができなくなり、やがて衰弱し、死亡します。
卵詰まり
卵管と卵巣の使い過ぎで、きちんとした分泌も排泄もできず卵管に卵材料がたまってしまうことがあります。
以下は、腹部に液体の溜まった鶏。
卵管に黄身や白身が詰まっているか、卵管に腫瘍ができている可能性があります。
また、卵詰まりを起こして死亡する鶏もいます。
出荷後にも虐待がある
品種改良された鶏たちは、毎日卵を産み続けるため、
1~2年で体はボロボロになり、産卵率が落ちて、食肉処理場へ出荷されます。
↑画像は平飼い養鶏場の鶏たちです。
平飼い養鶏場の鶏たちも、最後は体がボロボロになります。
鶏の寿命は10年ほどと言われていますが、
平飼いであっても、放し飼いであっても、せいぜい2年程度しか生きられないのです。
叩きつけながら詰め込む
用済みとなった鶏を食肉処理場に送る際は、コンテナに鶏を詰め込みます。
膨大な数の鶏を詰め込まなければならないため、
職員たちは乱暴に、雑に、叩きつけるようにして、鶏を詰め込みます。
足がもげ、首がはさまる
詰め込まれてからの扱いも非常に雑で、足がもげてしまったり、
首がはさまってしまうこともあります。
ぎゅうぎゅう詰めのまま運ばれる
そして、ぎゅうぎゅう詰めにされ、トラックで屠殺場へ運ばれます。
と殺場に運ばれる長時間の間、ずっとこの状態です。
以下は、テレビのニュースで流れた映像です。
夜間放置
と殺が翌日に行われる場合は、ぎゅうぎゅう詰めにされたまま、夜間放置されます。
餌も水も与えられず、ずっとこの状態のまま、朝まで耐えなければなりません。
品種改良によって卵を産む機械とされた彼女たちは、この状況でも卵を産みます。
下にいる鶏たちは、卵で体が汚されていきます。
どれだけ不快であろうと、辛かろうと、何も身動きはできません。
不快であろうと、痛かろうと、苦しかろうと、寒かろうと、暑かろうと、
ただただ惨めにうつむき、じっと耐える他ないのです。
誰も助けてはくれないのです。
もちろん、このような状態で放置されるわけですから、死んでしまう鶏も沢山います。
どうせ殺すわけですから、生きてようが死のうがどうでもいいわけです。
気絶処理なしの屠殺
最後は恐怖の中、首を切断され、出血多量で死亡します。
外国では首を切断する前に、気絶処理を行うのが一般的ですが、
なんと日本では、気絶処理を行わないのが一般的となっています。
と殺の流れ
鶏は屠殺される際、シャックルという部分に足を引っかけられ、逆さ吊りにされます。
この工程を、懸鳥(けんちょう) または シャックリング といいいます。
吊るされた鶏たちは、機械で奥へと流されます。
動画は海外のものですので、電気を流した水槽に入れられ気絶処理が行う食肉処理場や、鶏の頭を棒で叩くという雑な気絶処理を行っている食肉処理場がありますが、日本の多くの食肉処理場ではそもそも気絶処理が行われません。
意識のあるまま、オートキラーと呼ばれる機械式のナイフで首を切られるか、
人の手によってナイフで首を切られます。
頸動脈を切られた鶏たちから血が流れ出ます。
意識あるまま首を切られた鶏たち
動画にも気絶していない鶏が何羽も映っています。
鶏が恐怖で鳴き叫んだり、意識のあるまま首を切られた後もジタバタともがいたり、苦しそうに喘いだりしています。
以下は、日本で撮影された鶏。
首を切断された鶏が暴れ、シャックルから落ちてしまったところです。
動画を見ていただければ分かりますが、この鶏はまだ生きており、ジタバタともがいています。
これが日本では当たり前の光景ということです。
最初から苦しみしかなかった鶏たちは、最後は恐怖と痛みと苦しみで生涯を終えます。
最後の最後まで苦しみしかない生涯でした。
ご覧の通り、日本は優しい国でもなんでもないのです。
感謝して頂くという言葉には何の意味もない
こうした、数々の苦しみと、犠牲のもとに生みだされたのが、卵です。
日本人はすぐに、感謝していただいています、とか言いますが、
このような悲惨な一生を送っても、感謝されたら許しますという変人の方がいらっしゃったら、ぜひ申し出てください。
感謝とか、いただきますなんて、誰でも言える中身のない建前の言葉であり、
そんなセリフを言ってる時点で、思考が停止しており、感情のある命と何も向き合っていない証と言えるでしょう。
鶏も、犬猫や我々と変わらない、感情も個性もある命です。
卵は人間に必要がない
栄養のために卵が必要、卵を食べないとタンパク質不足になると思い込んでいる人が非常に多いですが、
卵からしか摂れない栄養はありませんし、タンパク質不足にもなりません。
卵を食べる理由は美味しいという欲だけのためです。
自らの欲のためだけに、感情ある生き物に理不尽な暴力を強いて良いのでしょうか?
卵を食べるのをやめましょう。
卵の代替料理
卵風の料理は、身近な食材を使う方法と、代替卵を使う方法があります。
マヨネーズ
マヨネーズは、卵不使用のマヨネーズがスーパーでも売られていますので、そちらを購入するか、
自分で作りましょう。
たまごサンド
スクランブルエッグ
オムライス
卵かけごはん
お好み焼き
代替卵
・UMAMI EGG パウダー
パウダーに豆乳などを入れてかき混ぜ、しばらく放置すると、ほどよく固まるので、それを焼くと卵焼きのようなものができます。
味はプレーンなので、味付けが必要です。
・ほぼたま(液卵風、スクランブルエッグ風)
キューピーが開発した植物性の卵です。
味はすでについています。
・エバーエッグ
2foodsが開発した植物性卵で、カゴメが販売しています。
イオンなどのスーパーにも置いていることもあります。
味はすでについています。