ダウン・フェザーの生産方法

ダウンやフェザーは、寝具・クッション・ジャケットなどに用いられます。

「ダウン(鳥の羽)」について : NGO Life Investigation Agency

ダウンは、水鳥の胸に生えているもので、陸鳥(ニワトリなど)にはありません。

フェザーは、水鳥の翼部分の羽根です。

水鳥は大きく分けて2種類。

グース(ガチョウ)と

ダック(アヒル)がいます。

この記事では、ダウン・フェザーの生産の実態を書きます。

ダウン・フェザー製品を購入される方は、しっかりご覧ください。

生きた鳥からむしり取ることがある

ダウンとフェザーの最大の輸出国は、中国とハンガリーです。

水鳥の体から羽を取る方法は、生きた鳥からむしり取る方法と、死んだ鳥から取る方法があります。

生きた鳥から手でむしり取る方法は、ライブハンドプラッキングといいます。

家畜として飼育されている水鳥たち。

Gänserupfen – Daunen um jeden Preis – Lebendrupf – (youtube.com)

毛が生えそろうと、首をつかまれながら、作業場に連れていかれます。

そして、足を縛られ、

羽根を引きちぎられるのです。

鳥への痛みは一切無視して、胸から腹にかけて引きちぎっていきます。

鳥たちは痛みのあまり、終始、悲痛な叫び声をあげます。

(1) Lebendrupf von Gänsen in Ungarn – YouTube

皮膚が裂けるほどの傷を負い、血を流すことも多々あります。

傷を負った鳥は、獣医師資格のない作業員たちによって、麻酔なしで針で縫いつけられます。

傷を負わされた痛みに、さらに針で縫われるという痛みが加えられるのです。

鳥が暴れないようにするために、首を踏みつけながら作業を行う作業員もいます。

このため、骨折や窒息をする鳥もいます。

こうして数十分間、痛めつけられた後に、ようやく解放されます。

作業員の手から離れた鳥たちは、痛みや恐怖から逃れようと、その場から走って隅の方に逃げます。

作業後、あまりの痛みでピクピクと痙攣し、うずくまって動けない鳥もいます。

暖の役割を果たす羽を奪われた鳥たちは、水の冷たさや寒さから身を守ることができず、死んでしまう鳥もでてきます。

生後12~14週間で1回目のプラッキングが行われ、

およそ4~5年の間、約6週間おきにこのハンドプラッキング作業が繰り返されます。

羽毛の生産効率が悪くなった鳥は、屠殺場に送られ殺されます。

そもそも生産過程が残酷

死んだ鳥から取る方法には、手で取る方法と、機械で取る方法の2つがあります。

それぞれ、ハンドプラッキング、マシーンプラッキングといいます。

以下は、殺された鳥が、プラッキングマシーンという機械で毛を取られているところです。

すでに水鳥は死んでいますので、この時には痛みは感じていません。

鳥肉、フォアグラ、卵などの目的で飼育された水鳥たちを殺した後に、この方法で羽を集めていきます。

いわゆる副産物です。

よく副産物だと虐待にならないかのように言う不思議な方々がいますが、意味不明な論であり、全くそんな事はありません。

副産物なのであれば、主産物の生産において虐待が行われていないかどうかが問題になりますが、

鳥肉、フォアグラ、卵などの動物利用産業はすべて、

狭い環境に閉じ込めたり、麻酔なしで体の一部を切りとるといった、虐待的な飼育を行なっています。

フォアグラはさらに、太いパイプを口にさしこみ、強制給餌を行うという、凄まじい虐待が行われています。

つまり、マシーンプラッキングで副産物として採取したとしても、その生産過程が残酷なので、

ライブハンドプラッキング同様、残酷なのは何も変わりありません。

あくまで「羽を取る」という観点だけで言えば、死んだ鳥から羽を取る方が倫理的と言えます。

生きた鳥からむしり取られるという実態が広まったため、

業界は、ダウン・フェザーの90%以上は、食用の水鳥などの死骸から取ったものであると主張しています。

しかし、利益が絡み、平気で嘘をつく業界側の言うことなど、何のあてにもなりません。

50~80%が、より儲かるという理由で生体からむしり取られたものだという推計もあるのです。

そもそも、あなたの購入したダウン・フェザー製品が、

ライブハンドプラッキングによって採られたものか、マシーンプラッキングで採られたものかなんて、どうやって見分けるのでしょうか?

仮に、販売側が、マシーンプラッキングによって採ったものと主張しようと、一体誰がその確認を行うんでしょうか?

そんなのいくらでも詐称できますよ。

販売側が仕入れ先に騙されている可能性だってあります。

そして、生きた鳥からむしり取る虐待はあくまで、ダウン生産の虐待のほんの一例であり、結局はどちらも残酷極まりない生産過程をたどっていることを忘れてはなりません。

RDS認証の農場も虐待だらけ

ダウンの生産によって水鳥たちが虐待されている事実が広まり、ダウンを生産する業界は「RDS認証」というものを導入しました。

RDSとは、「Responsible Down Standard(レスポンシブル ダウン スタンダード)」の略です。

日本語では「ダウンとフェザーの責任ある調達」という意味になります。

RDS認証は、「虐待された鳥の羽毛が製品に使用されていないことを保証する」とホームページに記載されています。

しかし、実際のところどうなのかを見ていきましょう。

斧で首を落とされる

PETA は、RDS認証を受けているロシアの 8 つの農場を調査しました。

RDS では、「水鳥は意識を取り戻す前に気絶させてから殺す」と規定されています。

しかし、ある農場のガチョウたちは、麻酔処理なし・気絶なしで、斧で首を切断されていました。

首の切断は1回切っただけでは切断できない事が多く、

以下のガチョウは5回も首に斧を打ちつけられた後、首が切断され、

切断された体を雪の中に笑いながら放り投げられました。

とあるガチョウでは、恐怖で叫び声をあげながら、7回斧で殴られ、首を切られ、

翼と足が5分以上痙攣しているのが確認されたそうです。

RDS はダウンの生産を「農場から製品まで」追跡していると主張していますが、

この農場の代表者は、監査人はガチョウがどのように飼育されているか農家に尋ねることはないと述べていました。

RDS 認証手順では、特定の地域のサンプルのみを監査することにより、「農場地域」全体を認証することができるのです。

つまり、そのサンプルが基準をクリアしていれば、基準をクリアしていない農場までもが認証されてしまうのです。

かなりいい加減な認証であることが分かります。

さらに、このPETAの調査レポートには、これとは別件で「ライブプラッキングでない企業」の実態についても記載しています。

「ライブプラッキングでない」つまり「生きたまま羽をむしり取っていない」と表示をしておきながら、「実際はライブプラッキングによるダウンも販売している」と、サプライヤーが自慢げに話していたそうです。

企業にとって大事なのは利益のみです。

認証など何の意味もなく、表示などいくらでもごまかせるという事がお分かりいただけるでしょう。

ユニクロ、GUESS、H&Mなどの企業と繋がりのあるRDS認証の農場

PETA は、ユニクロ、GUESS、H&M、その他数十社を含む

RDS認証のベトナムのアヒルの養殖場と、食肉処理場を調査しました。

アヒルの養殖場では、アヒルたちは不衛生な小屋で密飼いされ、金網の上で生活させられたり、糞が散乱した土の上に閉じ込められたりしていました。

病気にかかっている鳥や、ケガをしている鳥、歩行困難いなっている鳥も多く見られました。

ある作業員は、動かなくなったアヒルの首を掴んで放り投げました。

瀕死の鳥や、死んでいる鳥もいました。

瀕死の鳥や、死んだ鳥は、他の鳥から見えるところに放置されることが多くありました。

アヒルの食肉処理場では、カゴにぎゅうぎゅう詰めにされたアヒルたちが、作業員によって足で踏みつけられていました。

その後、と殺するために、アヒルの足をフックにかけ、逆さづりにし、

電気を流した水槽に沈め、気絶処理を行います。

しかし、気絶処理が失敗するのはどの屠殺場でもよくあることです。

気絶処理を失敗したアヒルも含め、ナイフで首を刺されました。

多くの鳥は、刺されてから1分以上動き続けたそうです。

また、ブローカーが羽を集めていた村では、アヒルは家の中で殺されていました。

気絶処理をすことすらなく、首をナイフで切られました。

首を切った後は、足を切断しますが、足を切断する際、多くの鳥は動いていたそうです。

つまり、意識のあるまま、首と足を切断されたということです。

これがRDS認証を受けた養殖場と、食肉処理場の実態です。

「虐待された鳥の羽毛が製品に使用されていないことを保証する食肉処理場」なんてそもそもが矛盾でしかないですよね。

だって、と殺自体が虐殺以外の何物でもないのですから。

そんな場所で、虐待がない、などと何故思えるのでしょう。

動物絡みの「認証」というのは基本的に、全てウソ、と思っておいてください。

認証を出している会社は、第3者機関と謳っていますが、これ自体がウソなこともあります。

企業や業界が独自に作った認定基準が、あたかも第三者機関のマークかのように記載されることもあります。

認証を出している会社の調査は2年に1度とか、そういういい加減なものです。

その時さえごまかせば、認証が出せてしまいます。

調査すらしていない会社もあるでしょう。

認証を出す側の会社は、認証を出すことで利益が出ます。

真面目にやるよりも、たいして調査もせず、次から次へ認証を出した方が儲かるのです。

動物は声をあげられませんので、この認証は間違っていると伝えることはできません。

なので仕組みとして、ウソの認証を出す会社の方が生き残っていくのです。

自然に抜け落ちた羽を拾い集めていたら、供給が全く追いつきませんし、儲かりません。

ダウン・フェザーが当たり前のように存在している時点で、大量生産している、つまりは虐待的に生産されているってことです。

つまり、あなたがダウン・フェザーを買うことは、あなたが鳥たちを虐待していることと全く同じです。

買わなければいい話です。

いくらでも代替素材があるのに、そこまで意地になって、ダウンやフェザーの商品を買う必要はないでしょう。

ダウン・フェザー商品を買うのをやめてください。

植物性のダウンコート

ダウンの代替製品を作っておられるファッションブランドはいくつかあります。

そのうちの1つが、こちらの動画で紹介されているKapok Knot(カポックノット)さんです。

カポックというインドネシア原産の木には、画像のような木の実が300個ぐらい生えており

この木の実の中に、ふわふわの綿が入っているそうです。

これを使ってダウンの代替製品を作っておられるのが、こちらKapok Knot(カポックノット)さんです。

Plant-Based Down 2030 :Gathering “Dress” (kapok-knot.com)

このKapok Knotさんと、二階堂ふみさんがコラボして、コラボコートを作っています。

KAPOK KNOT×二階堂ふみ | 新しい時代の豊かさはアニマルライツ×モードに込めた想像力
木の実由来のファッションブランドKAPOK KNOTは、女優・二階堂ふみ氏と共同制作したアウター3型を2022年10月25日(火)から数量限定で受注販売いたします。 「服がどんな素材で作られているか、どうやって染色されているかを知ることは社会的責任であり、ファッションを純粋に楽しむためにも大切なこと」と考える二階堂氏。...

削除されてしまいましたが、二階堂ふみさんはこのコラボコートをインスタライブで紹介されていました。

Fumi Nikaido(@fumi_nikaido) • Instagram写真と動画

「まさに植物性のダウン」とおっしゃられていました。

こちらのコラボコートを購入すると、売り上げの10%が、動物保護団体に寄付されます。

その1つが、HONEY’S FARM SANCTUARY(ハニーズ ファーム サンクチュアリ)さんです。

『家畜と呼ばれる子達のレスキューファーム』
日本で2つしかない、ファーム・アニマル・サンクチュアリの1つ。 岡山にある「HONEY'S FARM SANCTUARY(ハニーズ ファーム サンクチュアリ)…

ハニーズさんは、畜産動物を保護されています。

購入することで、暖かいコートが手に入るだけでなく、動物を傷つけず、動物保護団体に寄付もできるということです。

他の商品もすべて動物不使用ですので、気に入ったものがあれば購入しましょう。

コレクション
洗練された都市と自由な自然のスタイルを合わせ、地球環境・生産背景にこだわるサステナブルブランド。木の実由来の新素材「カポック」は高機能なのに木を伐採する必要もなく、アニマルフリー。

以下、他のアニマルフリー(動物性素材を使わない)ブランドをまとめておきます。

Matt & Nat

NOIZE.COM

SAVE THE DUCK男性用 女性用 子供用

Embassy of Bricks and Logs春夏物 カバン靴 秋冬物

私は4年前に、Matt & Natでヴィーガンのバッグを購入して今も使っています。

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