ウールの生産方法

ウールは、セーター、ニット、帽子、スーツ、制服、ベッド、羊毛フェルトなど様々な物で使用されています。

この記事では、羊から取られるメリノウールの生産の実態を書きます。

ウール製品を購入される方は、しっかりご覧ください。

毛刈りは暴力的に行われる

日本人の多くは、

ウールは、動物園のパフォーマンスショーのように、ほのぼのとした雰囲気で優しく毛を刈ってると思いこんでいるようですが、

あれはただのショーだからそうしているだけであって、現実は異なります。

殴られ、蹴られ、叩きつけられる

以下は、オーストラリアの農場の映像です。

大量生産をしなければならないウール産業では、雑に乱暴に刈り取るのが基本です。

羊毛産業において、毛を刈り取る職人の給料は、歩合制です。

つまり、どれだけ刈り取れたかに応じて、給料が支払われます。

毛刈りはただでさえ重労働なので、職員は圧倒的に男が多く、

しかも歩合制ともなれば、作業が雑になり、乱暴になるのは必然といえるでしょう。

羊はたちは、刈られた際の恐怖、痛みで、鳴き叫び、暴れたり、抵抗したりします。

そのため、思い通りにならないことに苛立ち、暴力を奮う職員も数多くいます。

この羊は、毛を刈り取られた後、立ち上がれず、這って刈り取り場所を脱出しているところです。

暴行された事で、死んでしまう羊たちもいます。

この暴力的な毛刈りにより、毛刈り後30日以内に年間100万頭が死亡しています。

肉を刈り取られ、素人に無麻酔で縫い付けられる

毛刈りの際に肉を刈り取ってしまうことも日常茶飯事です。

毛刈り中、傷ができるのは毛と一緒に皮膚まで刈られてしまうから / X (twitter.com)
ウール 全てが残酷 – アニマルライツセンター (arcj.org)

羊の皮膚や肉を刈り取ってしまった場合は、獣医師ではない職員たちが、麻酔なしで傷口を縫います。

ただでさえ肉を刈り取られて痛みを感じる羊に、素人の無麻酔の処置により、さらに激痛を与えるのです。

チェーンソーで切り取る農家もいる

恐ろしいことに、このようにチェーンソーを用いて刈り取る農家もいます。

少しでもミスれば、あっという間に肉が切り取られてしまうでしょう。

狂っているとしか言いようがありません。

羊は普通の毛刈りさえ恐怖ですが、

チェーンソーの場合は、その爆音を聞きながら、回転する刃物を体にあてられる、壮絶な恐怖を体験するのです。

毎年800万頭以上が死亡している

毛刈りは一斉の行われるため、

暑い時期は、炎天下の中、餌も水も与えられず、何時間も放置されます。

炎天下にも関わらず何時間も放置されていた / X (twitter.com)

暑さが原因で死んでしまう羊もいます。

寒い時期にも毛刈りは行われますが、毛を刈り取られて寒さをしのげなくなってしまった羊たちは、寒さのために毎年100万頭が死亡しています。

羊毛産業では、40%の子羊が生後8週間以内に寒さや飢えなどで死亡し、

年間800万頭の成羊が、病気や施設不足、管理怠惰などのために死亡しています。

羊の毛が生え変わらないのは人間が原因

羊は毛が生え変わらず、人の毛刈りが必要な動物と思っている人が多いですが、元々はそうではありません。

本来は、毛が抜けて生え変わる動物です。

人間が品種改良を行い、毛の生え変わらない、大量に毛が生える 羊を作り上げてしまったのです。

それがメリノ種という羊です。

メリノ種から取られたウールは、メリノウールと表記されています。

メリノ種は、人間に刈り取らってもらわなければ、数十kgの毛を背負いながら生きていくことになります。

以下の動画の羊ビクトリアは、元家畜で、農場から脱走し、野生化した羊です。

少なくとも4年以上 野生で生きましたが、全身毛まみれの異常な状態になっています。

保護されたときには、26kgものウールを背負っていました。

以下の動画の羊Baarackも、ウール農場から逃げ出し、野生化したところを保護されましたが、

Baarackは、ビクトリアよりもさらに多い35kgのウールをつけて森に隠れていたところを、サンクチュアリに保護されました。

バーラック – エドガーズ ミッション ファーム サンクチュアリ (edgarsmission.org.au)

人間が欲するウールのために、メリノ種の羊たちは自分達だけでは生きられない体にされてしまっているのです。

無麻酔で切りとる

品種改良が原因で、羊たちは農家たちに体のいくつかの部分を麻酔なしで切りとられます。

皮膚と肉

以下は、羊毛産業で一般的に行われる「ミュールジング」の映像です。

ミュールジングとは、子羊の臀部(でんぶ)・陰部の皮膚と肉を切り取ることを言います。

羊の足を広げて固定し、臀部・陰部の肉をハサミのようなもので切り取るのです。

モザイクをかけましたが、羊の股間の部分が真っ赤に染まっているでしょう。

実際の映像は、血まみれで非常に痛々しいです。

これが麻酔なしで行われているのです。

羊は、多くのウールを得るために皮膚を拡張させられたため、深いシワができます。

臀部・陰部のシワには糞がたまり、毛に付着しやすく、そこにウジ虫がわきます。

それを防ぐために、このミュールジングを行い、毛が生えない皮膚の状態にしているのです。

ミュールジング:ウールの残酷性 | Vegan Fashion アニマルフリーという選択を (no-fur.org)

ご自身の皮膚と肉を、麻酔なしで切り取られたら、どれほどの痛み・苦しみを味わうのか、想像に難くないでしょう。

狂っているとしか言いようがありません。

子羊たちは、人間が着飾るウールのために、体を切り刻まれ、肉をえぐりとられているのです。

尻尾

羊は本来、長い尻尾を持っています。

しかし、家畜の羊のほとんどが、尻尾が短くなっています。

これはウールの農場が、羊の尻尾を切り落としているからです。

動画では、生後数週間の子羊たちの尻尾を、麻酔なしで、刃物で切り落としています。

人間都合で品種改良されてしまった羊は、糞尿が毛に付着しやすく、そこにウジ虫がわきます。

それによって蠅蛆症(ようそしょう)という感染症にかかりやすくなり、それが原因で死んでしまう事もあります。

ヒツジのお尻を洗って清潔に保つことが出来れば、この病気にかかる事はありませんが、
金儲け、すなわち効率を重視する羊毛業界はそんなことはやる気がありません。

なので、手っ取り早く済ませるために、尻尾を切り落とすというわけです。

尻尾を切りとられた羊たちは、尻尾や体が血まみれになります。

羊は基本断尾する 1番安い方法は麻酔なしでナイフで切断する / X (twitter.com)

このように、輪ゴムをつけて、血流を止め、壊死させ、腐った尻尾が地面に落ちる、という方法もあります。

切り取られた尻尾は、ゴミとして処分されます。

ウジ虫が湧くのを防ぐために尻尾を切っているわけですが、

尻尾を切ったことで、その傷口から菌が入ったり、ハエが集まって卵を産みつけられることもあります。

そして、それが原因で、歩けなくなったり、病気になってしまったり、死んでしまうこともあります。

去勢

去勢も麻酔なしで行われています。

断尾(だんび)と去勢(きょせい) (lin.gr.jp)

ゴムリングを陰嚢に巻き付け、血流を止め、

2週間~4週間ほどで、陰嚢が委縮し、壊死し、腐って睾丸が地面に落ちる、というやり方です。

農家は痛くないなどと言っていますが、痛くないわけがないでしょう。

痛くないというなら、自分でやってみてそれを証明していただきたいものです。

薬品のプールで溺れさせる

羊たちは品種改良が原因で、ダニ、シラミ、クロバエ、ケジラミといった外部寄生虫が寄生しやすくなっています。

そのため、羊毛産業の農家たちは「シープディッピング」を羊たちに対して行います。

シープディッピングとは、羊の毛の寄生虫などの病原菌を殺すためシープディップという薬品を入れた水槽に羊を浸すことを言います。

Kilmacolm Farm Tours – Dipping Sheep – YouTube

驚いて出ようとする羊に、農家がサスマタで押さえ込み、顔まで沈めます。

シープディッピングは、多くの農場で行われています。

ひどい農家にもなると、以下のように顔を含めて全身を浸して溺れさせる農家もいるのです。

羊は人間と違って、せーのっで息は止められませんから、有毒な薬品が、目や鼻や口に入ってしまうでしょう。

逃げ場のない場所で、水が迫ってくる恐怖、溺れる恐怖は、計り知れません。

人間によって品種改良されたことが原因で、様々な虐待を受けなければならないのが、羊毛産業の羊たちです。

犬も搾取されている

犠牲は羊だけにとどまらず、羊の誘導をスムーズに行うために、労働犬が使用されます。

犬好きな人、犬を飼っている人に知って欲しい / X (twitter.com)

労働犬は餌をもらって大切にしてもらっていたらいいのでは、と単純に考える人も多いようですが、
労働犬を繁殖させられる繁殖犬

労働させるための厳しい調教

歳を取ったり、病気になるなどして働けなくなり、利用価値のなくなった犬の遺棄や処分など、

動物を使役すると必ず様々な問題が出てきます。

この子犬はワーキングドッグになるために繁殖され、人間が食べる動物と服のために働き生きる X (twitter.com)

表向きは大切にしていたとしても、いざ利用価値がなくなった時に、その人間の本性が出ます。

安楽ではない屠殺

過密と長時間移動

羊たちは、これらのような数々の苦しみを経て、生産量の落ちた羊は使い物にならなくなり、屠殺場に送られます。

以下は、労働犬を使って、トラックに追い込んでいるところです。

人間は犬を使い、大声で煽り、電気が流れる棒を使い、400匹もの羊たちがこのトラックに乗せられる / X (twitter.com)

画像は実際にオーストラリアに在住されている日本人の方が撮影した写真です。

犬を利用するだけでなく、人間が大声で煽ったり、電気が流れる棒を使ったりして追い込むこともやっているそうです。

トラックに詰め込まれた羊たちは、と殺場までの長距離を、ぎゅうぎゅう詰めにされながら長時間運ばれていきます。

と殺の流れ

一般的なと殺では、まずは羊を電気ショックによって気絶させます。

そして、逆さ吊りにします。

逆さ吊りにしてから、電気ショックを与える場合もあります。

逆さ吊りにした後は、頸動脈を切断し、放血します。

気絶させているから安楽だとでも思っていますか?

気絶処理は度々失敗します。

映像においても、足をバタバタさせたり、目を開いて瞬きしたり、意識があると思われる羊が数頭映っています。

それに、気絶するからといって痛くないわけではありません。

かなりの痛みを伴います。気絶するほどの痛みを味わうだけです。

嘘だと思うなら、ご自身で一度味わってみればよいでしょう。

死の船

用済みとなった羊たちは、海外に輸送されることもあり、これが最も悲惨です。

羊たちを載せたトラックが到着したのは、船の乗り場。

誘導され、船に乗り込む羊たち。

船の中で、羊たちは過密状態で運ばれていました。

苦しそうに息をする羊や、

辛くて倒れてしまった羊の様子が映っています。

オーストラリアの羊たちは、「死の船」と呼ばれる船に何百万頭も乗せられ、

3~6週間ほどの間、

南半球から北半球への気温差やサイクロンなどの過酷な気象条件や座ることもできない過密さの中で

水もなく、糞尿にまみれて、中東などに輸送されます。

以下は、輸送された羊たちの映像です。

倒れたまま、かろうじて息をしている瀕死状態の羊。

船の中には、羊の死体が至るところに転がっています。

死んだ羊が職員に運ばれています。

運んで死体を積み重ねているようです。

そして、死んだ羊を海に捨てています。

船は、過密で不衛生な環境で、怪我をしたり病気が蔓延しますが、治療されることはありません。

到着するまでの間に18%の羊が死亡します。

そのほとんどが餓死による死亡です。

 航海中に病気やケガをした羊はミンチにされ、鮫に投げ与えられることもあります。

なんとか生きて港にたどり着いたとしても

身体をひきずる羊を屠殺場に追い立て、

宗教儀式の理由により意識のある状態で喉を切り殺されます。

↑トルコ犠牲祭で意識のあるまま羊を殺している動画

別の屠殺場までさらにトラックで搬送されたり、

手足を縛った状態で車のトランクや屋根に縛り付け自宅まで運び屠殺することもあります。

中東の真夏は50度くらい気温が上り、衰弱しきっている羊は立つことすらできません。

オーストラリアから輸出される羊は、2014年時点でも年間4億頭です。

毎年億を超える命が、このような悲惨な最後を迎えるのです。

日本人は羊を虐殺している

遠い国で起こっていることではありますが、ウール製品を購入している日本人は全員加担者側です。

日本では、ラム肉も、ウールも輸入に頼っており、特にウールはほぼ100%輸入です。

〇 めん羊・山羊をめぐる情勢 – 農林水産省

〇 国産羊毛の生産と流通

さらに、日本は、世界3位のウール消費大国です。

つまり、ウールを大量消費する日本人は、この虐待産業に大きく貢献しています。

日本は羊の虐殺国なのです。

Xで、「保護犬 羊毛フェルト」「保護猫 羊毛フェルト」などで検索してみてください。

大量に、羊毛フェルトを作ったり、買ったりしている、保護犬猫愛好家たちのツイートがあります。

これがあるので、犬猫愛護の界隈には、ウールの実態が全く広がらないのです。

動物愛護を訴えるはずの人たちが、羊毛を利用し、羊の虐待を促進しているのです。

動物愛護とは一体何なのでしょうか?

人間はウールなど利用しなくても生きられますし、羊毛フェルトに至っては ただの趣味・自己満足の世界です。

このようなどうでもいい物を作って、羊を苦しめているのです。

羊毛フェルトを売っている人稼いでいる人は、やってることが犬猫兎のブリーダーたちと全く同じです。

どうしてもやりたければ、猫毛フェルトを使用してください。

猫毛ならば、猫から抜けた毛を使っているだけです。

ウールなど使わなくても、人間は生きていけます。

羊毛フェルトに至っては、自己満足以外の何物でもありません。

ウール製品を買うのをやめてください。

羊毛フェルトの利用をやめてください。

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